フリーランス医師がマイクロ法人を設立する4つのデメリットとその対策

フリーランス医

マイクロ法人はフリーランス医師にとって、社会保険料の最適化や資産形成の手段として有用です。

節税面でフリーランス医師と相性抜群のマイクロ法人ですが、もちろんメリットだけではありません。

実際に設立して見えてきたデメリットとその対策をご紹介します。

フリーランス医師がマイクロ法人を設立する4つのデメリット

☑「フリーランス医×マイクロ法人」には社会的信用がない

☑法人設立・維持にコストがかかる

☑年金の受給額が下がる

☑診療報酬以外の副業収入が必要

この記事を書いた人
Dr.さいとー

医師:消化器外科医(外科専門医)→フリーランス内科・在宅診療医に転向。
Dr.さいとーの雑記ブログ「Give &Giブログ」で情報発信中。
資格:FP3級、簿記3級 宅建
2021年8月 マイクロ法人設立
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フリーランス医師×マイクロ法人の4つのデメリット

Dr.さいとー
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マイクロ法人のメリットだけでなく、デメリットも理解して

しっかり対策していきましょう!

法人の設立にコストがかかる

法人の設立コストは

株式会社なら約20万円、合同会社は約7万円かかる

株式会社を設立する場合法定費用と会社印鑑などで約20万円ほどかかります。

一方、合同会社を設立する場合は同様に約7万円ほどです。

その他に、法人印鑑代や行政書士の外注代なども発生します。

対策

法人の形態は合同会社にして初期コストをおさえよう

私は費用削減のため、合同会社を選定しました。

手続き上の簡便性もありますので、マイクロ法人の場合は合同会社がおすすめです。

また、マネーフォワード会社設立を使うと書類作成や行政書士の外注費用を総額5,000円に抑えることができるのでオススメのサービスです。

初心者でもわかりやすいのが特徴です。

簡単3ステップ!会社設立をもっとラクに【マネーフォワード クラウド会社設立】

法人の維持コストがかかる

法人の維持コストは

年間7万円〜70万円ほど

法人の利益が0もしくは赤字でも法人住民税均等割の金額、約7万円/年がかかります。

さらに月々の帳簿付を税理士さんに委託する場合は月づき約3万円

決算の委託は10〜20万円ほどの費用が発生します。

その他、会計ソフトやバーチャルオフィス代などの費用が年間5〜10万円かかります。

対策

簿記3級を勉強して法人の維持コスト削減

マイクロ法人の主な目的の一つが社会保険料の最適化ですので

月づきの帳簿付のために税理士さんに月々2〜5万円の費用を支払っていたのでは本末転倒です。

簿記を身に着けて、月々の帳簿付は自分で行うことをおすすめします!

簿記3級の知識はマイクロ法人に必須です。

私が利用した教材はクレアール

私が使っている会計ソフトはMoney Forward クラウド会計です。

ただし、法人決算はの専門知識が必要なため、税理士さんに委託がおすすめです。

【税理士ドットコム】

住宅ローンが借りにくい

住宅ローンは

申請できる銀行が限られ、融資条件が悪いことが多い

「フリーランス医×マイクロ法人」はマイナー同士の掛け算であるため、社会的信用は低いです。

私が地方銀行に住宅ローンを申請しようとしたのは、法人決算1期目の途中でした。

融資申請には3年分の決算書が必要で、結果的に申し込みさえできませんでした。

地銀でこの状況なので、メガバンクは門前払いでしょう。

また、住宅ローンの選択肢が少ないことで借入条件が悪くなりやすいことは覚えておきましょう!

Dr.さいとー
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住宅購入と法人の設立は時期をずらすのが得策ですね。

住宅ローンの対策は設立時期が大事!

設立から3期未満 → 個人の年収で判断してくれる銀行を当たる

設立から3期以上 → 地銀も選択肢に

設立から5期以上 → メガバンク選択肢に

私の場合は設立から3期未満であったので、地元の信用金庫を当たりました。

信金は法人経営者ではなく、個人事業主として個人の年収で融資判定をしてくれました。

また、その時点でマイクロ法人は1期目の決算を迎えていない状態でしたが、その時点の決算書を提出するだけで済みました。

結果的に、そこまで悪くない条件で、住宅ローンを借りることができました。

Dr.さいとー
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地銀やメガバンクにも融資申請を考えている方は

設立年数や決算内容も黒字にするなどの対応が必要そうですね

法人銀行口座やクレジットカードが作りにくい

個人では問題なく審査が通る銀行口座開設やクレジットカード審査も一筋縄ではいきません。

 

Dr.さいとー
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ゆ○ちょ銀行には法人口座開設を断られました(泣)

マイクロ法人では社会的信用の無いため法人の基礎となる環境を整えるのは難しいです。

対策

法人口座はネット銀行を利用する

困っていた私を助けてくれたのは法人口座を開設してくれたのはGMOあおぞらネット銀行です。

申請には決算書は不要で、電話番号は携帯電話番号でOKでした。

また、当時は会社HPは持っていませんでしたが、事業で使っているフリマの販売サイトのトップ画面をホームページとして使用しました。

結果、申請した当日に審査通過のお知らせをもらうことができました!

しかも振り込み手数料は業界最安クラスです。

駆け出しのマイクロ法人には大変嬉しい対応でしたので、みなさんにもおすすめしたいです。

また、口座開設時に審査なしで発行されるデビットカードも法人決済で大変有用です。

お得で便利なVisaデビットカードも!【GMOあおぞらネット銀行】

※後日楽天銀行の法人口座を作ることができました。記事はこちら↓

年金の受給額が下がる

勤務医の場合は多くの社会保険料を支払います。

納めた社会保険料に応じて、年金受給額が多くなります。

社会保険料を最小化した場合、将来もらえる支給額が下がるということです。

対策

iDeCoや小規模企業共済を利用して個人で年金対策をする

医師の退職金はそもそもあまり多くの額は期待できません。

国の制度を利用しなくても、自分で対策できることはあります。

自分でiDeCoや小規模企業共済などを利用して自分で個人の退職金や年金を形成しましょう。

副業収入が必要

フリーランス医は非常勤の給与を得ていますが、その給与を法人収益にすることはできません。

法人収益になるのはいわゆる副業収入です。

医療現場でしか働いたことがない医師にとって、深慮報酬以外に収益をどこで上げるか、頭を悩ませる方も多いと思います。

対策1

副業にチャレンジしましょう!

医師の方で副業に抵抗がある方は多いかもしれませんが、

フリーランス医の方は副業に取り組む方が多いのではないでしょうか。

診療報酬を法人収益にできない以上、法人経営をするには給与所得以外の副業収入を得る必要があります。

私がチャレンジ中の副業は当ブログ、楽天ポイントせどり、不動産投資、書籍の出版などです。

「副業は1日にして成らず!」今後も継続して積み上げていきましょう!

対策2

法人で株式投資する

副業するのは難しい」という方には、法人で株式運用をするという手段があります。

法人役員の資金を法人に貸し付けて、配当金などによるイカムゲイン、含み益などのキャピタルゲインを法人収益にすることができます。

フリーランス医×マイクロ法人の4つのデメリットとその対策 まとめ

マイクロ法人のデメリット側にフォーカスした記事を書きました。

改めてデメリットとその対策を理解しておくことで、

フリーランス医×マイクロ法人の全体像が見えてきたように思います。

当ブログでは医師の資産形成など、みなさまのお役に立つ記事を書いています。

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以上、Dr.さいとーでした。

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それではまた、お会いしましょう!!

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コメント

  1. SOGO より:

    いつも読ませて頂いております。小規模企業共済の件ではお世話になりました。
    自分にとって凄く勉強になる有料級のブログです。

    法人口座設立の難しさは聞いています。特にネット銀行は厳しいと。
    自分の場合は不動産投資で法人化を検討しており融資先の金融機関で法人口座を作れるとは思います。ただフリー医の属性だと融資が厳しくなるはずです。近隣の信金や公庫などに当たってみたいとは思いますが、まだ金融機関巡りはやった事がありません。
    頭金を多く入れたり、個人の不動産投資の実績を評価してもらうしかないと思いますが、その辺のお考えは何かお持ちでしょうか?

    またバーチャルオフィスを利用されている理由は何でしょうか?
    賃貸であっても勝手に法人登記している人も多いと聞いていますが。
    どちらかと言うと自宅に色々な宅配物が来ては困る人が利用するものという印象があります。

    教えていただける範囲で教えて頂ければ幸いです。

    • Dr.さいとー Dr.さいとー より:

      SOGO様
      いつもありがとうございます。
      マイクロ法人の主の目的は社会保険料の最適化が目的で、むしろ、利益は多く出さないという考え方でしょう。
      しかし、法人の利益を大きくしたいのが法人代表というものです。笑
      それは「いますぐ妻を社長にしなさい」の著者 坂下 仁さんの言葉を借りると「プライベートカンパニー」への進化なのだと思います。

      不動産投資を本格的に行うのであれば与信も大事になってきますよね。
      法人に不動産をもたせるのであれば、法人の実績を作るしかありません。
      個人の信用のが低いフリーランス医にとっては法人での不動産投資の方がむしろ相性がいいのではないかと思っています。

      バーチャルオフィスを使っている点は法人住所が登記されることで公になり、ネットで嫌がらせの被害があったという記事を見たからです。
      でも、現時点では心配するほどでもなかったかなーと思っています。
      固定費もかかったり、法人宛の郵便も届くまでに1週間ほどもタイムラグがあったりして使い勝手の悪さを実感しました。
      ただ、今から変更すると登記変更の司法書士費用がかかりますので、現状維持ですね。(来年持ち家に引っ越したら登記の変更をする予定です)
      今からやるなら自宅を登記すると思います。
      Dr.さいとー

      • SOGO より:

        教えて頂きありがとうございます。
        法人は設立するなら不動産業を考えているため、フリーになった今から出来る事をまずはしてみようと思います。合同会社の設立は難しくないため、まずは融資が得られそうな金融機関探しになりそうです。
        ただマイクロ法人(保険料最適化)も一緒に勉強したいと思います。

        今後も伺うことがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  2. SOGO より:

    すいません。もう1点分からない事があります。
    現在は国保限度額でやっています。これは確定申告の際に社会保険料と同じ扱いで全額控除の対象になりますよね。つまり節税出来ます。

    収益がほとんど出ないマイクロ法人を保険料圧縮目的で設立する場合、法人住民税や税理士費用は自分のポケットマネーから出資する事になりますが、自分自身は国保分の控除もなくなり役員報酬分の給与も増えるため個人の所得税や住民税はむしろ上がりますよね?(小規模企業共済で節税は出来るとしても)
    保険料圧縮分はおそらく80万ちょっとくらいだと思いますが、上記のようにプラスで出ていく費用(法人維持の最低経費と個人の増税分)を考慮した場合、保険料圧縮目的のマイクロ法人スキームだと、ザックリ40~50万くらいのCFになるという感覚でしょうか?なんとなくこんな感じでしょうか?

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