今回はフリーランス医師がマイクロ法人するメリットを書いていきます。
マイクロ法人とは「一人社長または家族経営の法人」のことを指し、プライベートカンパニーやマイクロカンパニーとも呼ばれます。
私は2021年8月にマイクロ法人を設立し、半年間経営して見えてきたメリットをまとめました。
・社会保険料の最適化ができる!
・フリーランス医には安定した非常勤の給与収入がある!
・所得を家族に分配ができる!
・贈与税・相続税対策ができる!
みなさんご存知の通り、超高齢化社会を支える社会保険制度を維持するためには、高所得者層の増税は避けられません。
いわば「勤務医は増税の矢面に立たたされて、狙い撃ち状態」です。

待っていても増税の流れは変わりません!
自分の財産は自分で守らなければ!
マイクロ法人で社会保険料の最適化する
自分が納めている社会保険料はどれくらい?
勤務医が加入する社会保険は健康保険と厚生年金です。
勤務医のみなさんは、自分が払っている社会保険料の額を知っていますか?
源泉徴収されていると自分がいくら社会保険料を納めて、その手取りの割合はどれくらか。などは考えないかもしれません。

勤務医が年間支払っている社会保険料は年間110万円〜160万円程度ということになります。
勤務医の先生が命を削っている当直のほとんどが社会保険料に消えていっている現実をここではっきりと自覚するべきです。
社会保険料の最適化とは

勤務医の医療保険は「健康保険」。
それに対してフリーランス医の医療保険は「国民健康保険(国保)」か「医師国保」です。
「国保」は保険料が安い分、保証は薄く、出産一時金や傷病手当の制度がありません。
また扶養家族が増えるとその分だけ保険料が高くなります。
一方、「健康保険」は保険料が高い分、保証が手厚く、扶養家族があっても保険料は変わらないのが特徴です。
さて、「国保」と「健康保険」のイイところ取りをして、保険料を安く、保証は手厚くしたい!
それができるのが「マイクロ法人」で社会保険に加入することです。
マイクロ法人を設立して、社会保険に加入すると、医療保険は健康保険・厚生年金になります。
また、その保険料はマイクロ法人の役員報酬の標準報酬月額で決まります。
つまり、法人から自分への役員報酬を最低限に抑えることで、社会保険料を最低水準にすることができます。
社会保険料の最適化の結果
実際に私はマイクロ法人を活用して、保険料は個人負担分で127,188円/年(10,599円/月)になります。もちろん、健康保険なので扶養家族が増えても保険料は増えません。
結果として私の場合は、年間100万円以上の社会保険料の節約することができました。(社会保険料控除分は計算から除く)
私が法人設立で利用したのはマネーフォワード会社設立です。
書類の作成や司法書士の依頼などもスムーズに手続きができるのでおすすめです。


医師×マイクロ法人の良さは累進課税から逃れられるところです!
フリーランス医の安定した給与所得を活かす
非常勤の給与収入という特殊性

フリーランス医師の収入体系の特殊性とは・・・
「非常勤で安定した給与収入があること」です!
給与所得は通常、常勤でなければ本来もらえないはずですが、医師の場合はそれが可能です。
パートタイマーのような働き方で、十分豊かな暮らしができてしまう。
他職種で同じ条件で働くことはなかなか困難だと思います。
本来「自由と安定」はトレードオフの関係。
しかし、フリーランス医は二つが同時に手に入れることができます。
少々のハードルはいくつかありますが、目指してみる価値はあるのではないでしょうか。

フリーランス医師はどうやって仕事を見つけるの?
フリーランス医師の求人
市中病院や医局派遣の勤務医は自分でバイトを探すと言う経験がほとんどないため、手段に困る方も多いと思います。
現状、当直だけでなく、定期非常勤などを選択してマッチングしてくれるサイトがあります。
これらのサイトを利用していくことで、フリーランス医師でも常勤の勤務医以上の報酬や時間的制約のない働き方が可能になります。
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所得を家族分配する
フリーランス医でも勤務した病院からの給料を法人収益にすることはできません。(医療法人なら可能)
法人の収益にすることができるのは講演会の報酬や副業収入、不動産収入などです。
また法人に現金を貸し付けて、株式運用益を法人収益とすることができます。
本来個人に入るはずであった給料を法人の収益として、所得が少ない家族に給料を出すことで所得税の節税につながります。
私は103万円の壁を意識して、無税の範囲で家族に給料を出しています。
妻にもiDeCoや小規模企業共済に加入してもらうことで、103万円の壁の上限は広がります。
私が行っている副業については下記記事をご参照ください。

私が会計の知識を得たのは簿記の資格からです。
通信教育で分かりやすく簿記を学ぶにはクレアールがおすすめです。
贈与税・相続税対策

贈与税対策
贈与税は毎年110万円以上の金銭を渡した場合にかかる税金です。
「それなら毎年100万円ずつ贈与していればOK」という単純な話ではないです。
毎年100万円贈与するにしても、「定期贈与」とされないために、
贈与する時期をずらしたり、その贈与を贈与された人が生活に使用している状況が必要だったりします。
贈与したとしても、それが相続に該当しないか、税理士さんに相談や確認が必要な場合もあります。
またそもそも現行の贈与の制度がいつまで使えるのかも定かではありません。
「暦年贈与の廃止」の可能性もあります。
それに対して、法人からの給与であれば、定期的に定額の給料を払っていても特に問題がありません。
それが法人が誰にいくらの報酬を払おうがそれが法人の方針なのだから。
相続税対策
また、法人に資産がある場合にその代表が亡くなるなどして、法人の解散時には出資金の割合に応じて、資産が分配されます。
その際に自分の子や孫を役員に入れている場合、出資金の割合に応じて、法人資産が分配されます。
その際にでも相続税はかかりません。
また、子どもが成人して業務を手伝ってくれるようになると、給料を支払うことができます。
1世代、2世代飛び越えて給料を支払えることの凄みがでてきます。
まとめ
これまで読んでいただきありがとうございました!
マイクロ法人を活用することによって、相続税対策ができるカラクリがわかってきました。
フリーランス医師とマイクロ法人の相性は抜群です。
社会保険や税制の仕組みを理解し、マイクロ法人を設立することで、「搾取される側」から「制度を使い倒す側」に回ることができます。
学んだことが資産形成や豊かな人生に繋がる可能性を多いに秘めています。
それぞれの良さを理解して、制度適切に利用していきたいものです。
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以上、Dr.さいとーでした。

それではまた、お会いしましょう!!
参考書籍
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